成田からコペンハーゲンへ(その一)

成田空港で飛行機に乗った瞬間に、飛行機の車輪が空中に浮き上がった瞬間、僕は、「ああ、これでしばらくの間、あらゆる日本国内におけるしがらみやら、労働やらから一定の間、解放されるぞ!」という歓喜に満ちた感情を味わう。
旅というのは海外・国内問わず、日常からの脱出であるとか解放を意味すると思うが、それが海外の場合、より強くあらわれる。まず、日常における自分自身を取り巻く人間関係からの解放である。

また、海外であれば自分を追ってくる人間は一人もいない。本来なら現実に大勢の人間が自分を追ってくるというような「人気者」こそが、こういう感情を味わうべきであろう。つまり、その人がいなくなったら本当に困るというような人間こそが、それこそ、旅による日常性の逸脱であるとか、解放感うんぬんの話をする資格があるのだと思う。
僕は誰にもあまり必要とされていないということを自分自身で自覚していた。
そしてこれが単なるレジャーの一種であって、余暇以上の目的も何ももっていない旅であることは十分すぎるほど分かっていた。
しかし、そうであるからこそ、自分自身がこの世におけるちっぽけな存在に過ぎないということを自覚するからこそ、旅というものを通して得体の知れぬ非日常性を味わうということは重要であると思うのだ。誰も僕の隣に座っている乗客が、僕であるということに気がつくこともなく、また、周囲を見回しても知っている人などは誰もいない。
そういう状況の中で、すごく単純なことだが、自分を何か映画の中の主人公であるかのような錯覚に陥らせてくれるのが、海外旅行なのである。
※ホームページでもヨーロッパ旅行の情報を載せています。あわせてこちらもどうぞ。
・コペンハーゲンの旅案内
・プラハ〜都市の隠れ家を探す旅
成田からコペンハーゲンへ(その二)
スカンジナビア航空に乗ると、座席の前に小さなモニターが装着されているのを目にする。これはテレビ番組だとか映画であるとか、テレビゲームだとかを、イヤホンを使って、自分の好きなプログラムを利用できるというシステムである。
このモニターがついている飛行機というのは、何もスカンジナビア航空だけの話ではないらしい。よほど、マイナーな航空会社であるならばともかくとして、今ではたいていの航空会社の飛行機においてこのサービスが当たり前のようになっているようだ。
成田からコペンハーゲンまでは十時間ほどの時間がかかる。
それくらいの長い時間、飛行機に乗っているとさすがに退屈という問題に直面する。おまけに体が窮屈であるという事情も手伝って、体全体と脳細胞がなにやらムズムズとしてくる感覚というか、いてもたってもいられなくなってしまうのだ。
おまけに、僕は飛行機の中で眠るということが出来ない。
今回は一人旅であるということもあって、誰かとともに長い空の旅の間、喋っているというわけにもいかない。
そういうわけで、僕はこの座席の目の前にあるモニターを使って、テレビゲームをやってみた。テレビゲームをやるのはすごく久しぶりだ。子供の頃、ファミコンという昔懐かしい遊びが流行したけれど、そして、その後もテレビゲームというのは機種を変えつつ進化し、様々な商品が登場してきたが、僕はある時期を境にゲームをやらなくなっていた。
その時、僕がやったのは、ゴルフゲームとクイズゲームの二つであった。
ゴルフゲームの方は、ビリヤードに似ていた。上から見下ろす画面になっているのが特徴であった。最初、操作方法にかなりの難を感じたのだけれど、やっているうちに慣れてきた。
正直言って、このゴルフゲームを日常でもやるか?と聞かれたら、やらないと即答してしまいそうなそんなしょうもないゲームである。
だが、やっているうちに、はまっていってしまうのが、こういうゲームの不思議なところだ。「ヨーシ!前面クリアしてやるぞ!こうなったらとことんやってやる」と意気込みながら、コペンハーゲンに到着するまでほとんど一睡もしないでゲームに熱中していた。
もう一つのゲームは、クイズゲームであったが、これはすべて英語で書かれていた。三択とか四択などで、英語圏のクイズが出題される。
これは、語学のレベルがどうとかいう話ではなくて、英語圏に生まれた人間でないと分からないようなクイズが多く出題されていた。最初は物珍しいのもあってしばらくの間、そのゲームに取り組んでいたのだけれども、だんだんと飽きてきてしまった。
そんなこんなでようやくのことで、コペンハーゲンの空港に到着した。
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このモニターがついている飛行機というのは、何もスカンジナビア航空だけの話ではないらしい。よほど、マイナーな航空会社であるならばともかくとして、今ではたいていの航空会社の飛行機においてこのサービスが当たり前のようになっているようだ。
成田からコペンハーゲンまでは十時間ほどの時間がかかる。
それくらいの長い時間、飛行機に乗っているとさすがに退屈という問題に直面する。おまけに体が窮屈であるという事情も手伝って、体全体と脳細胞がなにやらムズムズとしてくる感覚というか、いてもたってもいられなくなってしまうのだ。
おまけに、僕は飛行機の中で眠るということが出来ない。
今回は一人旅であるということもあって、誰かとともに長い空の旅の間、喋っているというわけにもいかない。
そういうわけで、僕はこの座席の目の前にあるモニターを使って、テレビゲームをやってみた。テレビゲームをやるのはすごく久しぶりだ。子供の頃、ファミコンという昔懐かしい遊びが流行したけれど、そして、その後もテレビゲームというのは機種を変えつつ進化し、様々な商品が登場してきたが、僕はある時期を境にゲームをやらなくなっていた。
その時、僕がやったのは、ゴルフゲームとクイズゲームの二つであった。
ゴルフゲームの方は、ビリヤードに似ていた。上から見下ろす画面になっているのが特徴であった。最初、操作方法にかなりの難を感じたのだけれど、やっているうちに慣れてきた。
正直言って、このゴルフゲームを日常でもやるか?と聞かれたら、やらないと即答してしまいそうなそんなしょうもないゲームである。
だが、やっているうちに、はまっていってしまうのが、こういうゲームの不思議なところだ。「ヨーシ!前面クリアしてやるぞ!こうなったらとことんやってやる」と意気込みながら、コペンハーゲンに到着するまでほとんど一睡もしないでゲームに熱中していた。
もう一つのゲームは、クイズゲームであったが、これはすべて英語で書かれていた。三択とか四択などで、英語圏のクイズが出題される。
これは、語学のレベルがどうとかいう話ではなくて、英語圏に生まれた人間でないと分からないようなクイズが多く出題されていた。最初は物珍しいのもあってしばらくの間、そのゲームに取り組んでいたのだけれども、だんだんと飽きてきてしまった。
そんなこんなでようやくのことで、コペンハーゲンの空港に到着した。
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コペンハーゲン・カストロップ国際空港に到着する

このコペンハーゲン・カストロップ国際空港という空港は、あまり大きな空港ではない。だが、ガラス張りになっていて、小奇麗でスマートなデザインの空港だ。
僕自身はこれまでの海外旅行において、ほとんどの場合、ヨーロッパへ行くときはこのコペンハーゲンを経由することが多かった。それだから、この空港に対して一種の思い入れというようなものが自分の中にはあったのであるけれども、どういうわけか、デンマークという国に実際に足を踏み入れてみるということはしなかった。

機会がなかったということもあるし、北欧は物価が高いということも耳にしていたので、よほどのことがない限り、デンマークを旅行することはなかったのだ。
カストロップ国際空港についてもっというと、この空港のゲート内には、免税店のほかはセブンイレブンが一つあったのが印象的であった。逆に言うとセブンイレブンぐらいしか安い食物を買うような店がなくて、ちょっと飛行機のトランジットの間、休憩するというような店、つまり、ちょっとした喫茶店やらレストランの類というのが見当たらなかったのだ。
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空港から市内に向かう途中の話
コペンハーゲン・カストロップ国際空港から、市内へ行くのに、今回の旅では鉄道を使った。空港の鉄道の切符売り場において、切符は簡単に買うことができる。
空港の駅のホームへ降りると、二月のかなり冷たい風が体にビュービューと吹きつけてきた。この日はやたらと風が強かったせいもあった。
しばらくの間、待っていると列車が到着した。デンマーク国鉄DSBの列車である。この空港から市内までの列車は、特急列車などでないにもかかわらず、座席のシートがふんわりとしていて快適だったのが印象的である。
窓の外を見ると、だだっ広い荒野のような風景が広がっていた。空の色がやたらと切なく、センチメンタルな気分を味わった。郊外の住宅というのがいくつか見られたけれども、それでも、土地が広々としているという印象をもった。
無数の筋雲がいくつもいくつも空にあった。その空を見ながら、「ああ、旅はこれから始まるんだなあ」という実感をあらたにした。
10分ほどで列車はコペンハーゲン中央駅(Copenhagen Central Station)に到着した。時間にしてみれば、非常にわずかな鉄道の旅である。
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空港の駅のホームへ降りると、二月のかなり冷たい風が体にビュービューと吹きつけてきた。この日はやたらと風が強かったせいもあった。
しばらくの間、待っていると列車が到着した。デンマーク国鉄DSBの列車である。この空港から市内までの列車は、特急列車などでないにもかかわらず、座席のシートがふんわりとしていて快適だったのが印象的である。
窓の外を見ると、だだっ広い荒野のような風景が広がっていた。空の色がやたらと切なく、センチメンタルな気分を味わった。郊外の住宅というのがいくつか見られたけれども、それでも、土地が広々としているという印象をもった。
無数の筋雲がいくつもいくつも空にあった。その空を見ながら、「ああ、旅はこれから始まるんだなあ」という実感をあらたにした。
10分ほどで列車はコペンハーゲン中央駅(Copenhagen Central Station)に到着した。時間にしてみれば、非常にわずかな鉄道の旅である。
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コペンハーゲン中央駅にて

コペンハーゲン中央駅(Copenhagen Central Station)は、印象を一言でいうなら“市場”という感覚である。駅は天井が高く、空間に解放感がある。
レストランやショップ、ファーストフード店などが軒を連ねる。

こころみに、インターネットカフェに入ってみる。ところが残念ながらここのインターネットカフェでは日本語の文字が読めなかった。余談であるが、ヨーロッパでインターネットカフェに行くと、日本語の文字を読める店も少ないが存在する。だが、日本語も書ける店となると極端に数が少なくなる。

例えば、日本向けにメールを打つなどをする場合であっても、文字が日本語対応になっていないので、ローマ字で日本語を打つということになる。これはおそらく、メールを送られたほうはびっくりするに違いあるまい。

だが、この「海外でローマ字で日本語を書く」という行為に、海外旅行の一種の楽しさがあるようにも思える。というのは、これだけインターネットが全世界規模で普及して、世界中どこにいても均質的に生活レベルをあまり落とさずに旅行できるということになってくると、ある種、不便であるということが新鮮なことに思えてくるのだ。
もちろん、発展途上国といわれる国々を旅行するとなると、もっともっと不便であることには違いないのだけれど、まあ、このパソコンで日本語が読めない書けないという話は、実に些細なことではあるが、貴重な経験ではないかと僕は思うのだ。
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